【ブラジル音楽】ヴィニシウスに憧れて〜ダメですけべでいい加減で女々しい大人の男が格好いい〜

あなたは、ブラジル音楽、特にボサノヴァやMPB(ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ=Musica Popular Brasileira~ブラジルのポピュラー音楽)の男性歌手たちが歌う曲の歌詞を、じっくり繙(ひもと)いてみたことがあるだろうか?

軽快なビートやおしゃれなコードに彩られた、洗練されたサウンドに隠れて、何となくで聴いてしまってはいないだろうか?

まぁ、そもそもその昔から、もっとも音楽的で美しい言葉とされて来たポルトガル語で歌われている時点で、その詳しい内容などさておき、耳心地良い雰囲気を楽しむのが賢明というものだろう。

 

だが、あえて、ここで明かそう。

その多くは、「僕は君のことを好きになってしまうということを知っている」とか「愛をください。そうでないと死んでしまうから」とか「ああ、あのコったらなんてキレイなんだ。僕はこんなにも孤独なのに」「悲しみは決して終わらない、幸せはすぐに終わってしまうのに…」

などと女々しくて、女性に依存しがちな、ダメな男のつぶやきのようなもの。

 

いや、偏見ですよ、これは。

素晴らしい哲学的な歌詞や美しい詞もあるに違いない、きっと。

みんながみんなそんなはずもない。


でも、あえて、言おう。

ブラジル音楽に広がるそういう何だかちょっと情けない感じの、女性たちにお願いだから愛してくれよ!って懇願してるだらしない男たちの、真剣さが格好いいな、と思う訳なんだな。

 

で、そこが、僕のブラジル音楽の原点。先に恣意的に挙げた歌詞たちの作者でもある、ブラジルの国民的大詩人、ヴィニシウス・ヂ・モライスという御仁こそが、若かりし頃からの僕のアイドルであり、憧れの格好いい大人の代表というわけだ。

この人、詩人であるだけでなく、外交官にして、ジャーナリストで、作詞・作曲家で、しまいには自分で歌も歌ってしまうという暴挙に出た。

決して美声でも、歌がうまい訳でもない。

でも、いつも両端に美女を侍らせ、酒のグラスを片手にテキトーに歌ってる、その姿に、いつかオレも…と想像をたくましくしたものだ。格好いい、実にかっこいい。

と言う訳で、ポルトガル語で歌詞を書き、曲をつけてオリジナルを作るようになって久しいが、他の歌手に捧げることはあっても、いまだ美女を侍らせて自ら歌うまでの度胸が育まれないのが現状である。

なんといっても、ヴィニシウス翁と来たら、9回も離婚と結婚を繰り返している強者。その面でも頑張ってはみたが、まだまだ、足下にも及ばない…。

 

それなら、と歌詞のないオリジナル曲を、自らギターで伴奏し、フルートで旋律を吹くという自作自演を試みたのが、この『Vento Maduro』という作品だ。

ボサノヴァはもちろん、サンバショーロからアフロ・サンバスローワルツなど様々なスタイルのブラジル音楽のショーケースともいえるラインナップのこのアルバム。

ただ単にお遊びで自作自演を楽しんだという代物ではないことだけはこの場を借りて申し上げたい。

何事も真剣にやる、世のダメ男たちへの讃歌でもあり、それぞれの曲名にはそうした想いをちりばめている。

 

たとえば、子宮を再生するという言い伝えのあるアマゾンの秘薬『Bitter Melon』、

 

あなたもきっと思い当たることがある『小さな嘘、彼女の真実』、

 

いつも感じていたい『あなたのパンツを洗えるしあわせ』、

 

こんな時だってある『踊らせてよ!』、

 

男はいつも夢見てる、一攫千金を!『金鉱人夫』、

 

悲しい切ない悔しい嬉しい、理由はさまざま『なぜ彼は泣くのか?』、

 

じっと耐えるのみ『嵐』、

 

やがてこんな日も来る、あんなにも燃え上がったのに…『さよなら炎よ』の8曲。

当初の目的は達した。

次はきっといつの日にか、両手に余る美女とともに、20曲は下らないであろうポルトガル語詞の歌を、しがないオヤジが弾き語るアルバムをつくろう。

「聴いてください、そうでないと僕はあの人を一生しあわせに出来ないから」por Euzinho

 

 

栗沢右近 [a.k.a. Euzinho](文筆家・詩人・作詞家・訳詞家、ブラジル音楽演奏家)

官報向け記事の執筆から、某音楽月刊誌のCDレビュー、音楽エッセイ、大手音響メーカーの社外アドバイザリー・スタッフなど幅広いキャリアを積み、自身の事務所『聖韻房』を設立。某ゲーム音楽作曲家のサントラ盤のため、英国のコーラス隊向けにラテン語詞を作成。古ケルト音楽、特に13世紀スペインのアルフォンソ賢王編纂による『聖母マリアの聖歌集』から数曲に日本語詞を付して現代に蘇らせるプロジェクト、現代のトラッド、スコティッシュワルツなどに日本語詞を付すプロジェクト、など数々の仕事を残す。世界の民族音楽を演奏する日本人音楽家を集めた企画CD、MundoMusicoにて、栗沢右近の世界と銘打ったアルバムが発売されたり、ライヴで特集が組まれたりと一部ミュージシャンの間では知る人ぞ知る存在。日本語、英語、ブラジル・ポルトガル語、スワヒリ語、教会ラテン語による作詞を得意とする。

https://www.facebook.com/ukonkurisawa

 

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【鎌倉の街からワールドミュージック】

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湘南の腹ペコミュージシャンは、みーんな大好き。江ノ島電鉄線・鎌倉駅より徒歩2分にある、隠れ家的なカフェ・ワンダーキッチン(WanderKitchen) のマスターの、民族音楽レーベル『Tacto Rustico』の作品を、studio iota labelより一挙250曲リリース!

第三弾は「Vento Maduro ブラジル音楽への憧憬、晩夏の風にのせて…」「Hip Trip 熱き歌への想い、湘南の風にのせて…」で検索!

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